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ハート&クラフト

楽しみにしていた、「ハート&クラフト」を見に行ってきました。

渋谷の小さな映画館で、本当に短い期間のアンコール上映でしたので
初日の最初の回に行きました。
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エルメスの職人の人たちの様子、言葉を写すドキュメンタリー映画
約1時間の短い映画です。

一か月で職人さんが数人かかって7つしかできないバッグ
値段は一緒
しかしそれはひとつひとつ、実は出来がちがうんだと
言っていた女性がいました。
同じスタッフで同じように全力でつくる、でも手元にくる革は全部違うのです。
同じ値段であっても、やはり素晴らしいものができるときと
そうではないときがある、それが手で作るということ、手仕事ということだとおもうと
語っていました。

この映画には、色々な技法の職人に
インタビューしています。

知らないうちに涙がでてしまいました。
私の率直な感想は
このひとたちは皆信じられる人たちだ、ということでした。

ある職人さんが言っていたことば
ひとが仕事を選ぶのじゃない
仕事が人を選ぶんだ と言っていたことばは
まさに言い得ているとおもいました。

プロの運動選手や、歌手、スター、女優や俳優
そんなふうにきらびやかな脚光を浴びない職業ですが
いつでも神さまの傍にいて
自分の魂と対話している
誰かに喜んで使ってもらうために
自分の一生をかけて何かをつくりだす
求めているものはお金や名声、名誉などではなくて
どんな時も自分自身に嘘をつかないこと 
自分の手にある素材を最高の状態に変化させること

エルメスの工房には、歳も国籍も違う
いろいろな人種の人たちがいますが
どの人も、作っている時の眼が素晴らしくうつくしくて
静かな中に燃える大変な情熱の炎を感じます。

そしてまた、映画とは別に常々感じることですが
物作りに限らす、料理でも、美容師でも、たとえ営業でも どんな職業であっても
やはり超一流の人たちには
必ずどこかにこの「職人」の部分があるということをおもいます。
ひらめきだけではないもう一つの時間の流れ
同時進行で必ず必要な二つの車輪であると感じます。
by Tukurokka | 2012-07-15 21:02